#7 ビザを取りに行けばだいじょうぶですよ

サワディーカップ、いしいです。

今回は、4月にビザを取得しにラオスの首都、ビエンチャンへ行ったときの話をします。

タイ国籍を持たない外国人が、タイで長期滞在をするためにはビザが必要になります。
そのことは知っていたのだけれど、手続きとかめんどくさそうだったので、日本を発つ前になんの準備もせず、ビザを取得していない、いわゆる「ノービザ」という状態でタイに来てしまいました。

ノービザの状態で滞在できるのは、入国から30日間まで。そのままそれ以上滞在を続けると不法滞在になってしまいます。

当初は、そのひと月の間に語学学校を見つけて入学し、就学ビザに切り替えるつもりでした。しかし、暑さにうなだれている間に時間は経ち、あっという間に滞在可能期間ギリギリに。
どうにか手を打たなければとGoogle検索をしてみると「ビザツアー」という、ビザ取得を目的にした一泊二日のツアーがあるようなので、申し込んでみました。

タイのビザは一部のものを除き、国外のタイ大使館に行かなければ取得できません。しかも、手続きをして即日取得できるわけでもなく、翌営業日に再度大使館へ受け取りに行かなくてはなりません。なので、ビザ取得の為には書類だけでなく、往復の交通手段、一晩の宿を確保しなくてはならないのですが、その用意を旅行会社が一挙に引き受けてくれるのがビザツアー。
手続きは、大使館側がツアー参加者分をまとめて優先して行ってくれるので、待ち時間は自力で取りに行くよりも格段に少ないみたいです。

タイ国内で、学校にも会社にも属していない僕が取得できるのは観光ビザ。

観光ビザで滞在できるのは、
ビザ取得後の入国日から60日間 +
タイ国内の入国管理局で延長手続きを行えば30日間

の合わせて90日間

観光ビザにも種類があり、
ダブルエントリービザというものならば、上記90日間のうちに一度国外へ出て再度入国すると
再入国日から数えて60日間 + 
タイ国内の入国管理局で延長手続きを行えば30日間

滞在可能な期間が延長されます

できるだけ長い期間滞在可能なビザが欲しかったので、ダブルエントリービザを取得することにしました。大使館で払うビザ手続きの費用はシングルエントリーなら1000バーツ、ダブルなら倍の2000バーツ。
加えて、今回参加したツアーの代金が3000バーツ。これで往復の交通費、宿泊費、ホテルで提供される食事の費用も含まれているので、それぞれ予約する手間などを考えるとお得なのではないでしょうか。

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ビエンチャンへは「ロットゥー」と呼ばれる乗り合いバンで向かいます。途中休憩を挟みながら、およそ12時間かけてラオスの首都ビエンチャンに到着。
大使館へ行き、ビザの手続きはツアー添乗員の言う通りにしていればすんなりと完了しました。

ビザが発行される翌日までは自由行動なので、ラオスに行ったことのある友人がおすすめしていた「ワット・ソクパルアン」というお寺に向かいました。その寺の敷地内には、なんと寺が運営するサウナがあるとのこと。

街中を走るトゥクトゥクをつかまえて寺に着いたけれど、サウナらしき建物がどこにも見当たりません。もしかして、トゥクトゥクの運転手に別のところに連れてかれたんじゃないかなどと考えながら、通りすがりのお坊さんに尋ねてみると、木々が林立するケモノ道を指差します。

それを辿って行った先にあったのは、高床式倉庫のような二階建ての掘建て小屋

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掘建て小屋二階、サウナ外の休憩用のベンチ

二階へ上り、受付らしきおばちゃんに声をかけると、押し入れ収納用の衣装ケースのような引き出しに貴重品をいれるよう指示され、少し太めのふんどしのような、帯状の布を渡されました。
着替え室で服を脱ぎ、巻き方がよくわからないながら、渡された布をずり落ちない程度に下半身に巻き、サウナ室へ向かいます。

サウナ室も掘建て小屋の二階にあります。一階で燻した薬草の煙が二階の床板の隙間から室内に入り込むという仕組みみたい。
室内には明かりがなく、薬草の香りがする煙がもうもうと立ちこめていて1m先も見えない状態。手探りで壁際にベンチを見つけ、座っていると、だんだんと体中から汗が噴き出してきます。
20分ほどじっとしていると、熱気や体中にまとわりつく汗からくる不快感で、いてもたってもいられなくなってきます。そうしたら一度室外へ出てリセット。外気は30℃前後あり、サウナに入る前は暑かったのが、身体が温まったので涼しく感じられます。
できればここで水風呂に入り、身体の芯をキンキンに冷やしてから再度サウナに戻りたいところなのだけれど、あいにく水風呂はないみたい。
サウナで温まっている間に陽は沈み、真っ暗になった林から流れ込んでくる夜風にあたり、ぼうっとしていると、おばちゃんが熱いお茶を淹れてくれました。年季が入り、持ち手が欠けたマグカップでぐいと飲むと、サウナで流した汗で失った水分を補給してるはずなのに、お茶の熱さで更に汗が噴き出してきます。
なんだこれ、飲んだ分だけ汗が出てくる。喉を濡らしてるだけじゃん。しかも、お茶を飲んでかいた汗で身体が冷える。サウナに戻りたくなってくる
水風呂に肩まで浸からずとも、熱いお茶を飲み干すだけで、身体が冷えてサウナにまた入りたくなるなんて、こんなことがあるなんて。水風呂と違って身体が冷えるスピードがゆっくりな分、視界がグワングワンするようなサイケデリックな現象はないけれど、これはこれでいい。クセになります。

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ワット・ソクパルアン入り口の門

その後、サウナに20分くらい入ったら、外に出てお茶を飲みながら10分ほど休憩、というのを計3セット繰り返しました。
2セット目のサウナに入ったときに、ラオスで働いているという恰幅のいいカナダ人男性が話かけてきたのですが、彼は週一で通っているとのこと。こんなの近所にあったら僕も通いますよ。ほかにもラオス人の学生など、数人の男性が出たり入ったりを繰り返していました。ほんとは混浴サウナだというので、女性の姿もほんのり期待していたのですが、残念ながら僕が入っている間は見受けることができませんでした。

サウナを満喫したら、仕上げにベッドへ案内されてマッサージ。
足を上げたり、ひっくり返されたりするみたいで、僕の腰布の巻き方だと大事な部分がポロリしそうだと感じたらしく、マッサージ師の方が上からもう一枚布を巻いてくれました。
マッサージの種類はよくわからないけど、首筋をゴキゴキ鳴らしたり、以前バンコクで受けたタイマッサージに似た感じでした。
つま先から頭まで、全身くまなく一時間半。

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ワット・ソクパルアン境内にある塔

全てが終わり、帰る頃には夜の8時半過ぎに。
寺に着いたのが5時半頃だったので、3時間ほど過ごしていました。
来たときと同じようにトゥクトゥクをつかまえてホテルに戻ろうと思うけれど、なかなか見つかりません。そもそも市街地から離れた、車通りが少ない場所だったので、トゥクトゥクかタクシーが見つかるまで来た道を歩いて戻ってみることにしました。

市街地までの数キロの道のりを歩いたけれど、結局タクシーやトゥクトゥクは1台も見つかりませんでした。ホテルの住所の書いてあるカードは持ち歩いていたけれど、ツアー会社が用意してくれていたビエンチャンのマップは日中に紛失してしまっていたので、なんとなくの記憶を頼りにホテルへと向かいつつ、夕飯を食べるところを探します。しかし、昼間営業していたはずの飲食店はどこも閉まっているし、コンビニすら見つかりません。
街灯も東京やバンコクに比べるとかなり少なく、空腹と疲労でだんだん心細くなってきます。もういっそ、そこらへんの路上で寝てしまおうかとも考えたけれど、日本を発ってひと月、初めてクーラーがある環境で寝られるということを思い、歩きました。

そして、ホテルに着いたのは歩き始めてからおよそ2時間半後、夜中の11時を過ぎた頃でした。

道すがら、中に人がたくさんいて営業していそうなネットカフェを見つけ、インターネットで地図を見るために利用しようとするも営業時間は終了したと断られ、道を歩く人はひとりもいないので、ヒマそうにしているマンションの警備員など手当り次第に声をかけ、ホテルカードを見せて道を聞いてようやくたどり着きました。
夜中はどこの家の番犬もやけに活発になっていて、家の門の前を通ると、けたたましく吠えながら僕に食いかからんとする勢いでフェンスに突進してきました。柵の間に頭をグイグイと突っ込み、無理矢理敷地から抜け出して僕を追いかけてくる犬もいました。

そして翌日、ツアー添乗員の指示通りにビザを受け取り、また12時間ほどかけてバンコクへと帰りました。

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これが3ヶ月前の話。
そろそろこのときに取得したビザの期限が切れるので、ビザの延長をするために来週あたりにカンボジアにいってこようと思います。タイとの国境近くにカジノ街があるそうなので、稼いできます。


今回のおすすめTEE

サ道
サ道 / タナカカツキ

ワット・ソクパルアンにあったサウナは一般的な北欧式サウナではなく、ハーバルサウナと呼ばれるもの。水風呂があるタイプのサウナについてはタナカカツキさんの「サ道」という本が詳しいです。書籍版とは異なりますが、ここMODERN FARTでも読めますよ。
「タナカカツキのサ道」

画・文 : いしいこうた

        
いしいこうた
いしいこうた
1988年生まれ。編集者。Webマガジンの編集などを経て2013年3月より意味もなくバンコクへ引っ越す。編著書に『GIF BOOK』(BNN新社)など。このサイトの管理も担当。