大阪と東京に離れて暮らすチャンキー松本&犬んこ夫妻の奏でるけもじストーリーですよ   ( 第1回から読む )

第12回 おでん


10月に入ってからも私は大阪、妻は東京でそれぞれに忙しい日々を過ごしていました。
私の方はイラストの仕事、学校の先生、カフェのホールスタッフ、切り絵師…と仕事が毎日違う仕事をしていて、それに合わせていくのにも必死です。

10月11日からの1週間は、現在、大阪城で開催されている「平成中村座」の特設歌舞伎小屋で「江戸職人の五軒長屋」の店のひとつとして、妻と2人で参加させてもらうことになったので、自家製の絵草紙や切り絵などを販売していました。

大阪はまだ、そないに寒くもなく、夜、五軒長屋の仕事を終えて妻と歩いていても心地良く夜風を感じれる程でした。空を見上げるときれいなお月さまが見えました。

18日になり、私は1人で東京へ向かいました。学芸大前にある「モノグラム」というギャラリーへ「けもじ写真展」の作品を搬入をするためです。妻は中村座での仕事が残っていたので大阪に残らねばならず、私だけで写真展の搬入をしました。

しかし、東京はとても寒い…大阪との気温は2~3度違うのか、早速持っていったセーターを着ました。妻の住む、このニシオギの部屋も冷えます。これからは冷え性の妻にはつらい季節です。いつも妻が寝ているベッドに1人で寝たのですが、けっこう心地好く、ぐっすりと眠れました。このところの忙しさでゆっくり眠れてなかったからでしょう。

2日後には妻も東京へ戻ってきました。気温は上がることなく、どんよりな空が続いていました。こんな寒い季節にかかせないのが「おでん」です。夕食に作ろうとスーパーへ買い物にゆきましたが、生のスジ肉が見当たりません。

そういえば東京に住む友人に「東京ではあまりスジ肉をおでんにいれないよ」と言われたのを思い出しましたが、3軒目のスーパーでやっと買うことができました。

「関東煮」と呼ばれるこちらのおでんのたねは「ちくわぶ」「はんぺん」など白いものが多いように思います。

早速友人達を招いてのおでんパーティー。みなさん「おいしい、おいしい」と喜んで食べてくれました。妻も「大根にすじ肉のうまみが、よ~しゅんでうまい」といいます。「よ~しゅんでる」とは「よく味がしみ込んでいる」という意味の関西弁です。

おでんにたねをいっぱい追加し、私は大阪へと戻りました。妻はそのよ~しゅんだおでんを数日間食べていたようです。大根、こんにゃく、スジに卵…くたくたに煮込んだ、出汁のしゅんだおでんは家の味と匂いがするから…好きなのです。

チャンキー松本
 
 
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写真・文 : 青空亭 (チャンキー松本・いぬんこ)

        
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青空亭(チャンキー松本・いぬんこ)
アーティスト、チャンキー松本と挿絵師いぬんこの夫婦ユニット。 チャンキー松本/イラストレーター/切り似顔絵師。著書に「まるい家」「宇宙船イヌミ」他。 http://kamikirichanky.blogspot.jp/ いぬんこ/挿絵師。NHKこども番組「シャキーン!」他、雑誌や装画等に絵を描く。著書に「おかめ列車」他。 http://inunco.blogspot.jp/

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