お金がかからなくて空いてて面白い公共施設=ハコモノを求めて節約ミセスが子連れで日本中をうろちょろしまーす!   ( 第1回から読む )

第14回 真鶴町立遠藤貝類博物館

海沿い生まれ磯育ち、フジツボや貝などの硬い奴らはだいたい友達、な幼少期を過ごしてきた磯ガール(36)でございます。子連れで地元の海辺を再訪したら、埋め立てられてヤングのレジャースポットとなった砂浜はゴミばかり。砂浜をさくさくdigってキレイな貝殻を子どものおもちゃ代わりにしようという節約アイデアも空しく、スゴスゴと帰るはめになったのでした。そんな折、まだ天然の溶岩台地が残る神奈川県・真鶴町に貝の博物館がオープンしたと聞いたので、さっそくお出かけしてみようと思います。

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真鶴半島の先端にある観光施設「ケープ真鶴」の2階に開館したばかりの真鶴町立遠藤貝類博物館。貝類研究家の故・遠藤晴雄氏の私設博物館でひっそり公開されていた貝コレクションを、遺族が町に寄贈して設立されたものです。所蔵する貝の数は50,000点。そのうち約1,800種5,000点を常設展示しています。

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入り口近くにある巨大貝「オオシャコガイ」、別名「人食い貝」。人を食べることはないのですが、足を挟まれて溺れ死んでしまった人がいるというウワサが広まってそう呼ぶ地域もあるとのこと。人魚ぶって腰掛けたらエライ目に遭いそうです。個人的には貝柱にかぶりついてみたい。

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造礁サンゴの上に乗せられたハート型のアオイガイの仲間たち。これはカワイイ。

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ムーミンに出てくるニョロニョロみたいですが、これも貝の一種「エントツガイ」、別名「フナクイムシ」。木造船の船底に孔を開けて生息するこの白い妖精さんたちは、船底の内部を蜂の巣のようにしてしてしまい、やがて船は沈没……。カワイクない!

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アヒル口ブームに真っ向から逆らう唇がセクシーな「マンボウガイ(万宝貝)」。海の中で出会ったら「まだまだ酔ってないわよアンタ!」とか絡まれそう。

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こっちはすでに酔っぱらってそうな「ショウジョウガイ(猩々貝)」。「猩々」とは赤ら顔で酒好きな中国の妖怪のことだそうです。こんなのがホタテみたいにジェット噴射で飛んできたら怖い。

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同博物館の一番の目玉は「オキナエビスガイ」コレクション。数億年前の形態を残していることから、「生きた化石」と呼ばれる巻き貝です。子どもたちが見たら真っ先に「○ンコ」を連呼しそうな形状ですが、実はとっても珍しいらしい。特に国内に10個弱しかない「アケボノオキナエビスガイ」は、高級車1台分の価値が。

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クローネンバーグの映画に出てきそうな「クジャクアワビ」。

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黄緑色がカワイイ「ミドリパプア」。パプアニューギニアのマヌス島に生息するカタツムリです。

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2歳児が「ソフトクリーム!」とヨダレをたらす巨大巻き貝の数々。

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『風の谷のナウシカ』に出てきそうな「ヒザラガイ(多板綱)」コレクション。見た目はこんな感じですが、白戸三平『カムイの食卓』によれば美味しいらしいですよ。

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貝殻を持つ不思議なタコ「タコブネ」。メスだけが卵を保育するために殻を作るそうです。チャイルドシート的なものなんでしょうか。

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暖かい家庭(暖流)に育って個性的なトンガリキッズに育った巻貝たちと、

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冷たい家庭(寒流)に育って守りに入っている巻貝たち。子育てについて考えさせられますね。

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世界各国の貝モチーフの切手。琉球郵便の切手が素朴でカワイイ。

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真鶴半島の磯を再現したジオラマ。磯遊びに出る前に予習できますよ。

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館を出て石段を降りると、磯遊びができます。ゴールデンウィークの真ん中の日曜日だというのに、あまり混んでおらずほどほどのにぎわいでいい感じです。けっこう岩場は険しく、幼児連れだと「私がついているからおかあしゃんだいじょうぶだからね!」としがみついてきたりするので、貝探しをするのは至難の業かもしれません。

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カニとかフジツボとかはもうそんじょそこらに。

まとめ

全国的にも数少ない貝オンリーの博物館。あくまでも譲り受けたものを展示しているところなので、個別の貝についての詳しい解説などはなく、子どもにお勉強させようと思って連れて行くとあてが外れそうです(今後充実するかもしれませんが)。しかし深海生物なみに自由な形状に、2歳児は勝手な想像を働かせて面白がっていたようです。できたてホヤホヤだけあってディスプレイもキレイなので、お年寄りグループもありがたそうに見ていました。キレイなもの好きの女の子などを連れて行っても喜ばれるかもしれません。
(2010年5月2日訪問)

真鶴町立遠藤貝類博物館
住所  〒259-0201 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1175-1
交通 JR真鶴駅から箱根登山バス「三ツ石・ケープ真鶴行き」(約20分)・車4km(約10分)
TEL/FAX   0465 68 2111
休館日 木曜日(木曜日が祝日の場合はその翌日)、年末12/28〜12/31
開館時間 9:30〜16:30
入館料 [一般]大人(18歳以上)300円 小人(小学生以上)150円
[団体(20名以上)]大人(18歳以上)200円 小人(小学生以上)100円
※真鶴に在住の方は無料
公式サイト http://www.town-manazuru.jp/shell-museum/

写真・文 : 堀越 英美

        
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堀越英美
子育てママ業を営みつつ、間隙を縫っておもしろ文章を産む機械、って書き方アレだけど、書けば自動的におもしろいのが、demiさんこと堀越英美さんであります。

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