お金がかからなくて空いてて面白い公共施設=ハコモノを求めて節約ミセスが子連れで日本中をうろちょろしまーす! ( 第1回から読む )

第9回 三鷹市星と森と絵本の家

最近なにかと話題の「森ガール」。私はファッションに疎いのですが、友人知人の話から森ガール観を大づかみしてみたところ、森ガールというのは相当にモテるらしいですね。「森にいそう」というイメージが、「ウンコしなさそう」「シャンプーの容器の底がヌルヌルしてなさそう」「ドリンクバーの氷をガリガリ食べなさそう」といったさらなるモテイメージを量産するのでしょうか。そりゃあいい、さっそくうちのガールも森ガールに育成しよう! というわけで、もはや森ガールと森オカンのために作られたとしか思えない名称のハコモノ「三鷹市星と森と絵本の家」に行ってまいりました。

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「三鷹市星と森と絵本の家」は、草木茂れる小高い丘の上にある国立天文台三鷹キャンパス内に、2009年7月7日に設立されたばかりの真新しいハコです。大正4年に天文台高等官の官舎として建設された「旧1号官舎」を「絵本の家」として復元・再築。三鷹市が進める「みたか・子ども絵本プロジェクト」の拠点として、無料開放されています。「星」「絵本」「森」などをテーマにしたさまざまなイベントも行われているとか。おお、森ガールっぽい! 門を入るとけんだまやコマといった木のおもちゃがおいてあって、警備員のおじさんが遊び方を教えてくれます。

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持ち込んだお弁当を食べられる森っぽい中庭。落ちてる枝を振り回し、昆虫を追いかけ回せば、ほら、あなたも森ガール!

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案内人の指南で花壇ならぬ草壇作りに励む森ガール候補生たち。

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中庭で拾ったどんぐりと枝でホッコリ工作。中庭で木工クラフトを教えてくれる、その名も森さんという専門の案内人がいらっしゃるそうです。

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居間兼食堂として使われていた広い部屋を絵本展示室に改装。いくつも部屋がある大正時代の日本家屋の中で、星・森・ひとの3テーマを中心にセレクトされた約2000冊の絵本を自由に読めます。絵本展示室の案内人によれば、休日はお母さんが心置きなく家事できるよう、子連れで来るお父さんが多いそうな。そして子供そっちのけで絵本を読みふけるらしい。なるほど、ちょっとしたおしゃれカフェ風ですからね(飲食は禁止)。公園とちがってママさんたちと交流しなくていいし。地元のお父さんの隠れ家的スポットなのかもしれん。

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開館当初から「見る・知る・感じる絵本展-月とおつきさま-」を開催しており、月に関する絵本180冊を展示中。昔の『キンダーブック』のようにレアな絵本も。面陳されている絵本をつらつら眺めているだけでも、「月ネタの絵本ならなんでもいいってワケじゃないんだぜ」という選書の渋さが伺えます。

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引き出しを開けるとおみくじが。あちこちにお金はかかってないけど手の込んだギミックが仕掛けられていて、全体的に女性らしい雰囲気です。ハコモノではなかなかお目にかかれないハンドメイド感。三鷹市の市長が女性であることも関係しているのでしょうか。

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畳敷きの客間と書斎が読書室として解放されています。子を持って初めてわかる畳敷きのありがたみ。イスに座って大人しくしてるよう絶えず見張っていなければならない労苦から解放されますなー。

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客間のタンスの引き出しを開けると、お手玉、将棋、あやとりのひも、おはじき、カルタといった昔懐かしいおもちゃがいっぱい。まるでおばあちゃんちみたい! って、こんな大家屋に住んでいるお金持ちのおばあちゃんいませんけども。ここに限らず、引き戸やふすまなど開けていい場所がけっこうあって、子供は探検心をくすぐられた模様。この客間で遊んでいたら、赤ちゃんが寝付いたらしい若いお母さんがやってきて、押し入れから勝手にベビーベッドを取り出して寝かせていました。自由!

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旧台所は理科室に改装。中庭で見つけた昆虫や草花などをすぐに調べられるように、顕微鏡などが置いてあります。

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木製のおままごと道具やおもちゃ、段ボール製の鏡台、古いオルガンなどが置いてあるおもちゃ室。もともと浴室スペースだったらしく、子供がこもりたくなるちょうどいい狭さです。

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実はここ、2回訪れているのです(写真は2回分)。1回目はトイレトレーニング中の子供が興奮のあまりウンコをもらしてしまい、ろくに写真を撮れぬまま退散したのでした(子供用の小さいトイレはちゃんとあります。トイトレ中のパパママも勇気を出してレッツ訪問!)。ウンコしなさそうな森ガールになるにはまだまだ課題が多すぎた。でも改めて来訪したら、ちょうど月1回の紙芝居デーでラッキーでした。お話は「黄金バット 怪獣編」など戦後レトロな内容。おどろおどろしい語り口に引き込まれるのか、子供たちはおとなしく聞いています。うちの森ガールならぬもらしガールも強い感銘を受けたようで、帰宅後も「紙芝居は?」と何度も詰問を受けました。あれを母が再現するのはムリです。

まとめ

子供と一日中一緒だと家にいても外にいても落ち着かないのですが、ここは小さい子連れでもぼんやりできる極上のほっこり空間。近くにあったら毎週末通ってしまいそうです。いっそ引っ越したい! 三鷹市の不動産相場はいかほど? と思わず調べてしまうほどにうらやましいハコモノ。これでは三鷹市の子供たちばかりが森ガールになってしまうではないですか。森ガール格差問題勃発ですよ。それにしても、なぜ我々ハハコが嫌われがちなハコモノに行きたがるかといえば、味のある名所より無味乾燥としたハコモノのほうがバリアフリーでありがたいからなのですが、味があってバリアフリーなんて最強すぎる。ぜひに他の自治体にも見習っていただきたいものです。あ、えらそうすぎました? うちの近くにも同じの作ってくださいお願いします。(11月15日、11月21日訪問)

三鷹市星と森と絵本の家
住所 三鷹市大沢2-21-3 国立天文台内
交通 JR武蔵境駅から小田急バス「狛江駅北口」行き、JR三鷹駅から小田急バス「調布駅北口」行き、京王線調布駅から小田急バス「武蔵境駅南口」「三鷹駅」行き、京王バス「武蔵小金井」行きに乗車。バス停「天文台前」または「天文台裏」下車すぐ
TEL 0422-39-3401
開館時間 10:00〜17:00(入館16:30まで)
休館日 火曜日、年末年始(他にメンテナンス休館あり)
入館料 無料
公式サイト http://www.city.mitaka.tokyo.jp/ehon/

写真・文 : 堀越 英美

        
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堀越英美
子育てママ業を営みつつ、間隙を縫っておもしろ文章を産む機械、って書き方アレだけど、書けば自動的におもしろいのが、demiさんこと堀越英美さんであります。

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