お金がかからなくて空いてて面白い公共施設=ハコモノを求めて節約ミセスが子連れで日本中をうろちょろしまーす! ( 第1回から読む )

第7回 あーすぷらざ

「うぃめんずくらぶ」「きっずるーむ」「ゆめぱれっと」……自治体の広報誌などでカタカナをひらがなで表記している固有名詞をみると、少し身構えてしまいます。その過剰なまでの柔らかさアピール、芯に煮ても焼いても食えないハードコアな何かを隠しているんじゃないかと。そんな警戒心を抱かせるに十分な「あーすぷらざ」という愛称のハコモノが、横浜・本郷台にあります。正式名称は「神奈川県立地球市民かながわプラザ」。子供たちが楽しく「地球市民意識」や「国際活動支援」について学べる設備を備えた、外観が非常にかっこいい公民館です。さっそくハーコー探しに行かなくちゃ!

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「轟轟戦隊ボウケンジャー」の本拠地「サージェスミュージアム」のロケ地として使われていたというあーすぷらざ。確かにロボが飛び出しそうな未来的な外観です。むしろネーミング的には「サージェスミュージアム」のほうが合ってる。

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通路もかっこいい!戦隊が走ってきそう!

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5階の常設展示室が、子供向けの施設になっているようです。ここは遊具がたくさんある「こどもファンタジー展示室」の入り口。近づくと薄暗い入口がピカーと光るので、娘が泣きながら「おうち帰るー!」と逆方向に走っていってしまいました。だいじょうぶ、ファンタジーの世界だから帰ってきて!

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楽しげな遊具らしきものがたくさん。しかし節電意識を子供たちに植え付けるためなのか照明が薄暗く、負の雰囲気が漂ってしまっています。日曜の昼間ですが、我々以外の親子連れは2、3組。地味な公民館に無理やり遊具を取り付けたような、浮かれているようで浮かれていないような、微妙な空間。娘の機嫌も悪い。わあ、どうしよう。

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アニメでも見せれば機嫌を直すのでは、と「物語の小窓」へ。しかしアニメではなく、自動で音声が流れる紙芝居「ジャックと豆の木」でした。イラストもクレイアニメーション風。アニメ=悪、紙芝居&昔話=善という教育的配慮を前に、娘の目は死んだ魚のように……。

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遊具もなるほど健康的。しかしこれなら近所の公園で遊ぶほうが安上がりなんじゃ、と母は思い始めた。

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暗いだけで何も起こる気配がない「くらやみのへや」。

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おえかき、おりがみコーナー。

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落書き用の紙だけじゃなく、折り紙までチラシの裏紙。エコ意識が徹底してます。でも自分ちでお絵かきさせてるのとあまり違わない光景。

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トランポリンでようやくはしゃぎまわる娘。途中1人で入ってきた男子小学生が「たのしー!」と連呼しながら跳びはねまくってました。子供はトランポリンにだけはさからえない。

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「こどもファンタジー展示室」を出て、お隣の「国際平和展示室」へ。さきほどのファンタジームードから一転、軍靴の音が聞こえてきそうな戦時中グッズが展示されています。

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「ここは日本の土地だ!!まなべ!つかへ!日本語を!」そんな横暴な50音表はいや!

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M69ナパーム焼夷弾のしくみ。

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「わー、いろんな地雷があるね〜」。なぜか兵器の種類に貪欲な平和展示室。

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新しい施設だけあって、子供がトラウマになりそうな戦時中の残酷な写真などはありません。その代わり、おどろおどろしいレタリングで戦争の恐ろしさをアピール。

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続いて「こどもの国際理解展示室」。いろいろな国の民族衣装のコスプレが楽しめます。

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日本の人力車が東南アジアにわたって独自の進化を遂げた「リキシャ」。日本のデコトラといい、パキスタンのデコバスといい、アジアに通底するヤンキー魂を感じます。なお、国際理解といいつつ、展示の内容はおおむねアジア・アフリカ系に偏っています。

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バングラディシュの刺繍。かわいいー。

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インド・ネパールのすごろく「へびとはしご」で遊べるコーナー。

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アフリカの打楽器を叩き放題のお部屋。子供喜ぶ。

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あ、子供が大好きな迷路だ。この展示室から先に回ればよかった。

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随所にこういう2択があり、政治的に正しい選択肢の扉を開け続けると出口にたどりつけます。迷路で遊びながらネコ缶(食糧輸入)をめぐる世界の貧困問題や環境破壊問題などがわかる仕組み。娘は下をくぐってとっとと出口に出てしまいました。

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2Fのフェアトレードショップ「ベルダ」。ネパール産のファストじゃないファッションアイテムを中心に、さまざまな手工芸品が並びます。

まとめ

子供たちの校外学習のために作られた施設らしく、日曜日はガラガラでした。インフルエンザが怖いから混んでるところには行きたくない、という親子にはよさそうです。訪れるなら、「こどもの国際理解展示室」→「国際平和展示室」→「こどもファンタジー展示室」の順番に回ることをお勧めします。すごろくぐらいしか娯楽のない世界の貧しい子供たちや戦時中の子供たちのことを思えば、ノンキに電動紙芝居が見られるなんて幸せ……と娯楽に対するハードルが下がることうけあいです。(2009年11月1日訪問)

●あーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ)
住所 横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1 神奈川県立地球市民かながわプラザ
交通 JR根岸線「本郷台」駅改札出て左すぐ
TEL 045-896-2121
開館時間 5階常設展示室 9:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日 5階常設展示室 月曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料 大人500円(団体400円)、高校生・学生・65歳以上300円(団体240円)、小学生・中学生100円(80円)
公式サイト http://www.k-i-a.or.jp/plaza/index.html

写真・文 : 堀越 英美

        
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堀越英美
子育てママ業を営みつつ、間隙を縫っておもしろ文章を産む機械、って書き方アレだけど、書けば自動的におもしろいのが、demiさんこと堀越英美さんであります。

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